フジテレビが運営する「FODプレミアム」は、過去に放映した名作ドラマ、バラエティ、アニメ、映画などが月額888円(税抜)で視聴できるサブスクリプション型の動画配信サービスです。期間限定で視聴できる無料配信サービスの視聴者を、有料サービスの「FODプレミアム」に引き上げることがビジネスの柱。そこで大きなハードルとなる「FODプレミアム」への会員登録率を上げるためにオープンID戦略を積極的に取り入れています。中でも「Amazon Pay」導入によってLTV(顧客生涯価値)は劇的に変化し、「FODプレミアム」の継続利用率向上によってLTVは約14%も改善しました。 野村和生氏(総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室 部長職)、枝根聡樹氏(総合事業局コンテンツ事業センター コンテンツ事業室)にお話しを伺いました。

ID戦略で浮かび上がった課題を「Amazon Pay」で解決

携帯キャリア決済、各種IDログイン/決済サービスを導入している「FOD」。オープンID戦略を取り入れることで、新規に個人情報を入力するハードルを下げるようにしています。ただし、「Amazon Pay」の導入以前にはさまざまな課題を抱えていました。

枝根氏(以下敬称略) ひとつは決済手数料率の高さが問題でした。また、IDログインサービスと決済サービスのそれぞれに視聴者の登録作業が必要となるケースがありました。視聴者にとっては登録作業が増えるため、コンバージョンへのハードルが高く、離脱につながっていたんです。こうした課題を解決しようと「Amazon Pay」を導入したのです。

CVRなどさまざまな指標が改善、販促強化で会員獲得率は2割増

ID戦略上であがっていた課題を解決するため、「FOD」は「Amazon Pay」を2018年7月に導入。決済手数料の低さに加えて、Amazonで普段買い物をしているお客さまが「FOD」の会員になってくれることも大きなメリットを感じたと言います。

枝根 単純な比較はできないものの、「Amazon Pay」導入によって「コンバージョン数の増加は大きく改善。会員数の伸び率も大きな変化があり、従来比で約20%向上しました。CVRなどさまざまな指標が改善されたため、リスティング広告など販促キャンペーンが打ちやすくなったのは思わぬ効果です。投下した予算の新規客獲得効率が上がったため、会員数の獲得ボリュームが2割増しになったことにつながりました。
CVRなどさまざまな指標が改善された「FOD」ですが、私が最も効果的だったと考えるのはLTV(顧客生涯価値)の劇的な変化です。サブスクリプション型で提供している「FODプレミアム」の継続利用率は飛躍的に向上。LTVは約14%も改善したのです。

サブスクビジネスにも対応する「Amazon Pay」がLTV向上に寄与

サブスクリプションビジネスを運用する上で重要な仕組みとなるのが継続的な決済処理。「Amazon Pay」は定期購入の支払いに対応しているので、購入者は初回の支払い手続き時に「以降の支払いをAmazon Payで行う」と設定することができ、2回目以降は都度ECサイト上で支払いの手続きをする必要がありません。「FOD」もこの仕組みを活用しています。

 

野村氏(以下敬称略) 以前、携帯キャリア決済がメインの支払方法だったころは、(携帯端末を切り替えるタイミングが多い)2年間で「FODプレミアム」をやめてしまう利用者が圧倒的に多かったんです。そのため、LTVも固定化されていましたが、こうした状況は「Amazon Pay」の導入後、劇的に変わりました。「Amazon Pay」を使って「FODプレミアム」に登録した会員に対して「初回1か月無料」というトライアルキャンペーンを実施したところ、会員登録のハードルを大幅に下げることに成功しています。さらに、「Amazon Pay」を使って初回1か月無料トライアルした視聴者が、2か月目以降も継続するケースがとても増えているんです。

※写真は吉田浩章が撮影

*データはすべて(株)フジテレビジョンによる自社調査結果です(2019年3月)