ビックカメラグループでデジタル家電などの販売・買取りを手がけるソフマップは、中古品の販売やゲーミング機器の提案など独自の施策でEC事業を拡大しています。しかし、家電業界は価格やポイント還元率で比較されやすく、集客力やコンバージョン率の向上や改善は容易ではなく、着目したのが“決済”でした。2021年3月にソフマップが運営する3つのECサイトすべてに「Amazon Pay」を導入後、Amazon Payが使えるということが価格以外の強い訴求ポイントとなり、比較サイトからの流入が増えているほか、新規会員登録率にも大きく貢献しているとのことで、ソフマップの営業本部EC・法人営業部 係長の冨田健嗣氏に、Amazon Pay導入後の効果について詳しくお伺いしました。
Amazon Pay 決済利用時は新規会員登録率が約3倍
2021年3月に、「ソフマップ・ドットコム」「リコレ!」「アキバ☆ソフマップ」の3つのオンラインショップにAmazon Payを導入いただきました。導入直後から注文数を伸ばされたことからお客様にとって使いやすい決済手段ということを実感いただいたとお伺いしました。
冨田氏(以下敬称略)購入の際に入力するフォームの内容が多いと、離脱につながりやすいのではないかと以前から懸念していました。導入直後から Amazon Payの利用率が上がっているということは、それだけお客さまのストレスが軽減されている証拠であり、また買いに来てくれる可能性が高まると期待しています。どこのオンラインショップもゲスト注文の売り上げは必ずあり、ゲスト注文だけが増えることは必ずしも喜べる状況ではないです。可能であればゲスト注文は毎月一定の数値で留めておいて、会員数を増やしていきたいと各社が試行錯誤していると思います。会員に対してはメルマガの配信や会員向けのサービス、セールなど、売り上げとロイヤリティーの向上につながる施策が打ちやすくなるため、会員登録数が増加する面からしてもAmazon Payの導入価値は高いと言えます。オンラインショップにゲストで来訪したお客さまの注文後の会員登録率を見ると、Amazon Pay決済利用時は約3倍も多い結果となり、新規顧客獲得に貢献していると言えます。3サイトに導入した為、コストについては多少高くなりましたが、会員登録率の改善による今後のLTV(顧客生涯価値)向上を期待すると、コスト以上の効果があると見込んでいます。
サービス単体の手数料に左右されず、さまざまな施策と比較しながら費用と効果を見るべき
家電業界は、ほかの業界に比べて粗利が高いとは言えないですが、ソフマップはAmazon Payの決済手数料についてどう捉えていらっしゃいますか?
冨田 決済手数料単体で見るのではなく、ほかの幅広い施策と比較するようにしています。たとえば、モール出店、広告掲載、アフィリエイトなど、さまざまな施策に掛かる費用や得られる効果を比較しながら、決済手数料も見るようにしています。ソフマップは今、自社サイトでの購入機会を増やすためのSEO強化に取り組んでいますが、せっかくサイトに来ていただいたお客さまに最適な決済手段を提供できなければSEOを強化している意味も薄れてしまいます。決済手段の導入はSEOを強化するための投資の一環であり、なかでもAmazon Payは手数料分の効果を十分に創出する手段になっています。
「Amazon Payが使える」という文言が価格以上の訴求ポイントに
冨田 ウェブ広告や比較サイトの広告バナーに載せた「Amazon Pay利用可能」という文言は、価格以外の面で消費者に訴求するための1つの強みになっています。外部の比較サイトでも広告バナーに「Amazon Payが使える」とわかるような要素を入れると、オンラインショップへの遷移率は明らかに高まっています。特に今は、スマートフォンで簡単に決済が完結できる手段が求められており、「決済にAmazon Payが使えますよ」という訴求を有効的に使い売り上げ拡大につなげていきたいです。そのほか、Amazon Payを利用したお客様からは、決済フローの利便性を評価いただく声のほか、「請求がAmazonでまとまるので、毎月の請求額が管理しやすくて便利」といった声も寄せられています。 1人の消費者が複数のオンラインショップで買い物をすることが当然に行われている今、決済手段を増やすことは、当社が今までウェブ上でアプローチできていなかったお客さまを引き込むための大事な手立てになっていると思います。
※株式会社インプレス ネットショップ担当者フォーラム掲載記事(2022年3月23日発行)を再編
※データはすべて株式会社ソフマップ自社調査によるものです(2022年3月時点)
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