200年以上の歴史を持ち、銀座の一等地にお店を構える「松崎煎餅」。メイン顧客は60歳以上でありながらも、同社は以前からEC事業を積極的に展開してきました。ECサイト構築にはGMOペパポ株式会社のカラーミーショップを利用し、ECサイト立ち上げから10年以上経つそうですが、売上は好調とのこと。今回は、創業家に生まれ8代目社長として奮闘する松崎宗平氏と、GMOペパポ株式会社でEC事業部副部長兼カラーミーショップグループマネージャーを務める寺井秀明氏にお話を伺いしました。
独自サイトに信頼性を
寺井 弊社のカラーミーショップは、自社のブランドをきちんと掲げ、モール形式のECサイトとは異なる形で商品の魅力をアピールしたいという顧客の方に多く使っていただいております。しかし、独自サイト故に自社ブランドへの信頼を得るのに時間がかかるなどの要素が出てきてしまうんですよね。
松崎 たとえ店の商品に対する自信や信頼はあっても、クレジットカードカード情報の漏洩などの不安はぬぐえませんでした。

そのような現状の中、カラーミーショップでは2017年からAmazon Payによる決済サービスを導入しました。それはなぜでしょうか。
寺井 ID決済サービス自体が盛り上がってきたというのもありますが、弊社は、多くのお客様が訪れるECサイトでも、カゴ落ち(商品がカゴに入っても購入されないこと)やクレジットカードの個人情報登録の煩雑さの問題で、うまく売り上げを伸ばせないという声を幾つか耳にしてきました。モール形式と比べてどうしても信頼性の向上が求められる独自ECサイトですが、AmazonのID決済サービスを導入できるというのは、その点で非常に大きなメリットになると判断しました。
Amazon Pay導入によるメリットと反応
寺井 まず、新規のお客様の獲得に繋がります。これまで1度もそのECサイトで購入したことのないお客様であっても、Amazonアカウントをお持ちであればアカウントIDとパスワードを入力するだけですぐに決済画面にたどり着けるので、新規のお客様でも気軽にお買い物ができます。また既存のお客様にとっても、これまでのカード情報や配送先の情報などの複雑な情報入力が不要になり、シンプルな操作で完結できるようになるため、カゴ落ちの防止も期待できます。
また、Amazon Payを利用して連続して高額商品を購入するなど、不正と思しき取引があった場合には、事前に検知をして防止するという、Amazon.co.jpと同様の監視を行っているということです。このサービスを導入後、松崎煎餅の顧客の反応はどのようなものだったのでしょうか。

松崎 Amazon Payを導入してから、利用率は一定数を保っているので、決済シーンにおける気軽さを感じていただけていると思います。独自サイトですと情報漏洩などの不安もありますが、Amazon PayのようなID決済サービスを導入していると、クレジットカード情報を自社で管理する必要がないため、それだけでお客様に安心感を与えられると感じています。
最後に、お二人が今後の展望をお話ししてくださいました。
松崎 日本全国に煎餅屋を作りたいと思っています。頑張っていらっしゃる製菓メーカーさんがありますが、それでも煎餅業界の土台は揺れ始めていて、(値段の)高いものの価値が見えづらくなっているんです。なので、もう一度煎餅の正しい価値が理解されるような文化を作りたいなと思っています。良い煎餅を作ってファンを増やし、そして最終的に多くの方に購入していただけるように、ということを常に意識しています。ECサイトで買ってもらえるということは、そうした努力の結果の一つであるという認識を持ちながら事業を展開していきたいです。
寺井 ECサイトのプラットフォームとしてより多くのサービスをお客様に提供していきたいですね。例えば、実店舗のあるお客様からレジとECサイトをうまく同期させたいというご要望などを頂いているので、色々なことをうまく連携させてやっていけたらなと思っています。

Website: https://matsuzaki-senbei.com/
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