「atmos」などスニーカーを中心としたセレクトショップ約30店舗を展開するテクストトレーディングカンパニー。
デジタル対応に力を入れており、全売上高に占めるEC売上の割合は5割を超えています。デジタル化を進めるなかで急増したチャージバックという課題解決に向けた取り組みなどをECビジネス事業部の岡山暢祐部長に聞きました。
増加する不正注文の対策、ID決済の導入でチャージバック減を試みる
全社売上高は2020年8月期で約180億円、EC化率は5割を超えるテクストトレーディングカンパニー。昨今のスニーカーブームは大きな追い風となっていますが、デジタル化の推進で大きな課題になっていたのが、転売目的による不正注文の増加でした。
岡山 不正検知サービスによる不正判断の基準を高めるといった手は打っているものの、「転売ヤー」を含めた不正注文によるチャージバックは後を絶ちませんでした。
EC事業のKPI(重要業績評価指標)は売り上げの増加と新規顧客の獲得で、不正注文の減少と売り上げの拡大を両立する必要があります。そのため、カゴ落ちにつながる「3Dセキュア」の導入は避けたかった。そこで、決済手段にとしてID決済を導入し、ID決済の比率が高まれば不正利用によるチャージバックも減少すると考えました。
「Amazon Pay」導入5か月で売上と新規客が25%増加
大手ITサービスやECサイトのIDは、1人1アカウントが前提。そこで、「atmos」が導入したのが、Amazonが提供するID決済サービス「Amazon Pay」でした。
「Amazon Pay」と同時にID決済サービスをもう1つ導入していた「atmos」。2つのID決済サービスをお客さまに提供したところ、「Amazon Pay」の利用が大幅に多かったそうです。
岡山 ポイント付与キャンペーンを実施していたID決済よりも「Amazon Pay」の方が多く利用されたことには驚きました。
「Amazon Pay」を導入したことにより、Amazonアカウントでも「atmos」にログインできるようになりました。その機能がより支持されたという側面もあると思います。
不正利用の防止目的で「Amazon Pay」を導入しましたが、思わぬ効果もありました。
導入後5か月間で、EC売上と新規顧客数が前年同期比で25%程度増えたんです。年末商戦時などの外部要因はありますが、「Amazon Pay」が売上増に一定の影響を与えたと考えられます。
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「Amazon Pay」がチャージバックの発生防止に一定の寄与
懸念していたチャージバックへの影響について、2021年2月時点(取材実施時点)のチャージバック請求金額(2020年10月分)は、「導入間もない時期であり、かつ年末商戦に入った時期だったという要因もあり、導入前と変わりがありません。
ただ、「『Amazon Pay』でのチャージバックはゼロです」と岡山部長。導入後の売上増加、「Amazon Pay」による決済割合が上昇していることを踏まえると、チャージバックの発生防止に「Amazon Pay」が一定程度、寄与していると考えられるとのこと。
岡山 消費者ニーズ、テクノロジーの変化が激しい現在、各種施策をスピーディーに実行できるようにしています。「Amazon Pay」の実装もそうです。
一般的に大型ECサイトでは3か月の期間は要すると言われましたが、実際の実装に費やした期間は1.5か月。「Amazon Pay」は他の決済サービスよりもサポートがしっかりしているので、スピーディーに実装することができました。
都度購入、既存会員も利用できる機能、マイページログイン/会員連携、オプトイン形式による新規会員登録など、さまざまな機能を問題なく実装できたんです。
「Amazon Pay」の導入で新規顧客が増加したので、今後は「Amazon Pay」を使った新規顧客獲得策も検討しています。たとえば、「Amazon Pay」によるログイン機能を使い新規登録した顧客に対し、ギフト券をプレゼントするキャンペーン企画などがあがっています。
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Website: https://www.atmos-tokyo.com/
*機能に関する情報などはすべて(株)テクストトレーディングカンパニーが発表した2021年4月時点のものです
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