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コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社

Amazon Pay に期待する、インバウンドと国内市場の活性化。コカ・コーラ ボトラーズジャパンの自動販売機戦略

[インバウンド施策、マーケティング効果]

Amazon Pay に期待する、インバウンドと国内市場の活性化。コカ・コーラ ボトラーズジャパンの自動販売機戦略

日本における本格的な自動販売機市場のはじまりは、コカ・コーラ社の瓶自動販売機が登場した1962年に遡る。それから50年以上の時を経て、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは現在、「ベンディングビジネスの変革」に取り組んでいる。

インバウンド需要とキャッシュレス化が進む国内ニーズに応えるため、2023年6月に自動販売機向けQRコード(※)決済サービス「QR de 決済」を開始。その後、欧米からの観光客も増えたことから、2024年9月にAmazon Payをはじめとした7種類の決済ブランドを加え、現在国内外20種類以上のQRコード決済に対応しているという。

※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

自動販売機の強みは、なんといっても便利ですぐ買えること。その存在価値を高めるため、さまざまな挑戦をする同社は、Amazon Payにどのような期待を寄せているのか。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン ベンディング トランスフォーメーション企画統括本部 ベンディング マーケティング&ビジネスプランニング部 部長の黒木誉史氏に、Amazon Payの魅力やベンディングビジネスの展望について、話を聞いた。

逆風のなか考えた、タッチレスで買えるスマホ決済に力を入れること

昨今の自動販売機を取り巻く環境について、お聞かせください。

2020年に始まった新型コロナウイルスの影響により、人の動きがなくなった時期が2年ほど続いたことで、自動販売機の利用は大きく減ってしまいました。自動販売機が設置される環境は、オフィスや工場などのクローズドな場所、多くの人が集う交通やレジャー・商業施設、そして屋外のロードサイドと大きく分けて3つありますが、コロナの影響を比較的受けなかったのは、人と接することなく買えるロードサイドだけ。それも局地的な現象に過ぎませんでした。

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黒木 誉史氏
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社 ベンディング トランスフォーメーション企画統括本部 ベンディング マーケティング&ビジネスプランニング部 部長。入社後、1年間配送を経験したのち、本社で業績管理業務に従事。経営企画、営業企画を経て、自動販売機プロジェクトに加わったことを機に自動販売機のマーケティングおよびビジネスプランニングに携わるように。2022年9月年より現職。

昨年あたりからオフィスに出勤する人も増え、人流が回復したことで、ようやく自動販売機の売上も回復しつつあります。しかしその一方で、消費者の実質的な可処分所得が伸び悩んでいることもあり、スーパーやディスカウントストアとの価格差を気にする方も増えており、依然として厳しい市場環境は続いています。

こうした逆風のなかで考えたのが、小売店においてタッチレスで衛生的な購入方法として消費者に認識されたスマホ決済に力を入れること。弊社では随分前からキャッシュレス対応を始めていますし、2016年にはコカ・コーラ公式アプリ「Coke ON(※)」のキャッシュレス決済機能「Coke ON Pay」が使えるスマホ自販機も導入していましたが、もっと決済方法の選択肢を広げようと動きはじめたのです。

※「Coke ON」はThe Coca-Cola Companyの登録商標です。

それが、昨年スタートした「QR de 決済」ですね。

はい、2023年6月7日に15種類以上のQRコードで決済できるサービス「QR de 決済」を開始しました。新型コロナウイルスが感染症法上の位置づけとして2類から5類へ移行したのは、そのひと月前の5月8日です。インバウンド需要がV字回復すると予想されていたので、日本国内の主要決済サービスに加え、来日する人数が多く、QRコード決済の利用率が高い中国や韓国など東アジア圏でよく使われているサービスを、まずは優先して導入することにしました。

それから外国人観光客の数が右肩上がりで増加していることは、ご存知のとおりです。さらに利便性を高め、欧米のインバウンド需要も取り込むために、第2弾の候補として真っ先に名前があがったのが、Amazon.co.jpのアカウントがあれば誰でも簡単に使えるAmazon Payでした。それから議論や調整を重ね、2024年9月5日にAmazon Payなど7種類の決済ブランドを追加。現在は国内外20種類以上のQRコード決済が可能になり、対応できる自動販売機の拡大を進めているところです。

自販機設置を営業する際の大きなアピールポイントに

欧米からのインバウンド需要のほかに、どのようなことを期待してAmazon Payを追加したのでしょう。

Amazon様には以前から弊社製品を取り扱いいただいておりますので、取引を通しておつきあいはあったわけですが、そのなかで年代・性別に関係なく、非常に幅広いユーザーが数多く存在することをお聞きしていました。自動販売機は職場で利用される機会が多いこともあり、現在のメインユーザーは40〜50代の男性です。Amazon Payが使えるようになれば、これまで自動販売機で買う習慣がなかった人たちにも、新たにご利用いただけるのではないかと期待しています。

通常、日本でAmazon Payが使えるのはAmazon.co.jpのユーザーのみの設定になっているようですが、当社自動販売機へ導入するにあたり、Amazon.co.jp以外の海外のAmazonアカウントを持つユーザーも日本の自動販売機で買えるよう、カスタム対応をしていただきました。互いの既存システムをうまくつなぎ合わせることができましたし、導入やその後のオペレーションも非常にスムーズに進んでいます。

実際にAmazon Payを導入して、売上や反応などに変化はありましたか?

今回、新たに決済可能なマネーとしてAmazon Payが使えるようになったことについて、消費者に認識していただき広く普及するには、もう少し時間が必要です。ただ現状、管理サイトで決済情報を見る限り、着実に利用者は増えております。また半分以上は外国の方が購入されていることが確認できており、新規顧客として国内外のAmazonユーザーに利用していただけているようです。

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この先、売上にどれほど貢献するかは、引き続き期待しながら見守っていきたいところですが、インバウンド需要に対応できる決済サービスが充実していること、またそこにAmazon Payが加わったことは、自動販売機設置を営業する際にも大きなアピールポイントにもなっています。

「QR de 決済」を開始する前には、どのようなインバウンド施策を展開されていたのでしょう。

浅草や秋葉原といった観光地を中心に、外国人観光客向けにラッピングした「おもてなし自販機」の設置を2017年に開始しました。海外の人が見たときに思わず写真に撮ってSNSにアップしたくなるような日本らしい見た目に加え、観光情報など便利な機能も提供しています。現在は忍者・侍・舞妓・歌舞伎という4種類のデザインから選べるようになっていて、ラッピングのベースカラーも赤だけでなくカスタマイズも可能です。東京では原宿竹下通りや新大久保駅前などにも設置されていますし、いまは全国各地の観光地や多くの外国人観光客が訪れる空港などにも広がっています。

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コカ・コーラ ボトラーズジャパンの「おもてなし自販機」(東京・新大久保)

この「おもてなし自販機」には2年前からクレジットカードのタッチ決済を導入していましたが、事前に登録する必要がなく、スマホがあればその場で簡単に買える「QR de 決済」を追加導入したことで、決済方法の選択肢が一気に広がりました。日本を旅行する海外の人たちにとってはとても便利になりましたし、スマホをQRコードにかざすだけで購入できるから、衛生的でもあります。「QR de 決済」を始めて、「おもてなし自販機」もよりパワーアップできたと思います。

いずれは相互送客する販促プロモーションも

Amazonとはこれからどのような協力関係を築いていきたいと考えていますか?

弊社がゴールとするのは、お客さま一人ひとりの満足度を高め、一人でも多くの方に弊社の自動販売機を使っていただくことです。国内だけでも数千万といわれるAmazonユーザーの方々にAmazon Payで購入していただけるよう、いずれは相互送客する販促プロモーションのようなことも考えていきたいですね。幸いどちらも大きなブランドネームがありますし、互いにユーザーを呼び合い、送り合うことで、Win-Winになる関係を目指していきたいと思います。

今後のベンディングビジネスの展望について、お聞かせください。

時代とともに自動販売機は進化しているものの、残念ながら市場全体が縮小傾向にあります。そのなかで、新しいユーザーを取り込み、継続して利用してもらうには、自動販売機自体の価値を磨いていかなければなりません。自動販売機の基本的な価値は、便利ですぐ買えること。利便性を高めることに、これまで以上に力を注ぐ必要を感じています。

そのための仕掛けのひとつが「QR de 決済」ですが、ほかにもサブスクリプションサービスである「Coke ON Pass」やお釣りや紙幣・小銭を自動販売機で「Coke ON Wallet」にチャージできる「自販機チャージ」などのサービス展開も進んでおり、それらを通じてこれからも自動販売機の利便性を向上させ、存在価値を高めていきます。

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自動販売機は弊社にとって、直接お客さまへ販売する唯一のチャネルです。どうすれば多くの方に喜んで使ってもらえて、市場を活性化できるのか。それを常に考えながら、これからもベンディングの変革に取り組んでいきたいと思います。

※Amazon、Amazon Payおよび関連するすべてのロゴは、 Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。

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